私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

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『…あかつき、くん?』

『…』

あの日、ハサミを持ってきた暁くんは、説明なしに私の髪を切り落とした。

もちろん、意味がわからなかったけど、淡々と髪を切り続ける暁くんに説明を求めることも出来なかった。

『…わりぃ』

暁くんが口を開いたのは、私の髪を切った後だった。

『琴音、陣之内家から婚約の申し出があった』

『え?』

『お前は、琴音に扮したお嬢の付き人として同行する』

『ッ梨々香ちゃんを替玉にするってこと!?』

『あぁ。親父の決定だ。お嬢も了承してる』

『そんな…』

既に決まっていたこと。髪を切ったのはその準備。

拒否権なんか、初めからなかったんだ。

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