私の世界
1章
ザーーー……


すべての音が雨音でかき消され、雑音が浄化されているかのような世界。


雨音は時に子守唄のごとく心をなごませ眠りへと誘う。


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ピピピ…ピピピ…


激しく降っていた雨も止み、機械音がはっきりと響く。


ピピピ…ピピッ……


細い手が音を止め、ベッドから少女が起き上がった。


寝起きのぼんやりとした瞳で自分の手のひらを見つめる。


『まだ…生きてる……』


カーテンの隙間から差す朝日は暖かく、生きていることを改めて感じることができる。


少女はベッドから降りると制服に着替えた。


部屋を出て一つ隣の部屋をノックする。


少女『……』


中からの返事はなく、少女は扉を開けた。


窓には朝日が入らないように黒いカーテンを黒いテープで止め、隙間すらない。


異様なほど暗い部屋は、僅かに廊下から入る光でようやく見えるレベルだ。


狭い部屋には大きなベッドが一つ。


人1人が通れる隙間もなく部屋全体がベッドになっている。


そして、ベッドの中央には膨らみが一つ。

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