タイムスリップ
「結構音鳴るね」

見た目自体はあまり古そうには見えないが、結構年季が入っているらしい。

「老舗だからね〜仕方ないね。それはそうと希空、見て見てお望みの海が見える部屋だよ。」

海香が扉を完全に開く。

扉を開けて部屋に入り、真っ先に目に飛び込んできたのは大きな窓だった。

窓の向こうには綺麗な海が見えて、微かにさざ波が聴こえてくる。


「…すっごい…」
「凄いね…」


初めて見るような絶景に2人して語彙力を失う。


「…ってぼーっとしてる場合じゃなかった!早く準備して海行こう!」


今ここから見えるあの海を早く間近で見たい!


私は居てもたってもいられなくなり、急いで海に行く準備を始める。

「いつもそんくらいテキパキ動けるといいんだけどなぁ…」

後ろから海香の小言が聴こえたが、私は無視を決め込んだ。

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