医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


「……やっぱり、怖いよぉぉ」


ポーカーフェイスで採血する腕を取った天笠先生に、力くんは急にまた大泣き。

泣かれても全く動揺することなく処置を始めて、慌てて「頑張れ!」と必死に声掛けして励ますことに専念した。


「……はい、おしまいです。よく頑張りました」


相変わらずの無表情に、感情が見えない抑揚のない声。

とても子どもに掛ける言葉とは思えない調子だ。

本当に小児科のドクターしてきたのだろうかと疑いたくなるほど。

だけど、処置自体は物凄く手際よく、あっという間に終わってしまった。


「頑張れたね〜。よし、お部屋戻ろうか。白雪さん送っていくからね」


やっと涙を止めた力くんに声を掛けると、黙って両手を広げ〝抱っこして〟のポーズを見せる。

いつもは歩いて帰るのにと思いながら、小さな身体を抱き上げた。

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