セカンド・ファミリー(新バージョン)

「はい。和也さんがいいんです」

この気持ちは……嘘ではない。

すると和也さんは、手を差し出してきた。

「恋愛は……俺には、まだハードルが高い。
でも春花が俺を励ましたり
辛い時にそばに居てくれた時……離したくないと
思ったのは、確かなんだ。
春花は、未成年だし……俺は、こんなのだから
自分の気持ちに向き合ってこなかった。」

「でも春花が俺に教えてくれた。
だから小さな一歩から始められないかな?
不満かも知れないけど
春花と一緒に……歩いて行きたい。
ちゃんと君に好きだと
胸を張って言えるようになりたい」

その言葉には……和也さんなりの優しさと
精一杯の気持ちが詰まっていた。

……それでもいい。
私もあなたと一緒に歩いて行きたいから

「……はい。」

私は、その手を受け取った。

小さな一歩だろう。
それでも私達からしたら大きな一歩だった。

帰り道。海の浜辺を歩いた。

和也さんは、私と手をしっかりと
繋いだまま歩いてくれた。

< 127 / 131 >

この作品をシェア

pagetop