セカンド・ファミリー(新バージョン)

「いちごミルク……2袋」

それを聞いた時、和也さんは、
一瞬固まった。

「それ……父さんのプレゼントだろ?
毎年そうだし」

「えっ?ダメか?
お前達も好きだろ?いちごミルク」

ため息混じりに言う和也さんと違い
旦那さんは、不思議そうに首を傾げた。

「いや……好きだけど。父さんほどではないし。
ってか、毎年それだし……」

「えっ……そうか」

和也さんのツッコミに旦那さんは、
しゅんと落ち込んでいた。

私は、そのやり取りを聞いて
思わずクスクスと笑ってしまった。

私達は、偽者の家族だ。
でも、温かくてお互いに支え合っている。
それは、本物の家族以上に……。

私は、そんな家族を
セカンド・ファミリーと呼びたい。


END。

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