さよなら、大好きな人
そんな私の様子を余所に、アンナさんは明るい表情を浮かべてぎゅっと私の手を握った。



「え!?」


「じゃあ、良かったら結婚式が行われるまでここで働かない?泊まる場所は私の家で構わないし……、もちろん三食付き」


「え?え?で、でも」



ぎゅっと握りしめながら提案するようにアンナさんが告げる。その突然の提案に、私は困惑したように目を瞬かせた。



「実はね、その結婚式にも色々と手伝うこともあるから人手が足りなかったの。それに私、一人暮らしだから……仕事を手伝ってくれるならお金はいらないわ。……どう?」



その様子を見たアンナさんは微笑みながら説明するように口を開けば、じっと私を見ながらも微笑みを浮かべたまま首を傾げて聞いてくる。



私にしてみればそれは有難い申し出であるし、自分にとってすればデメリットは何も無い。

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