☆君との約束



「純情過ぎない?二人とも」


首を傾げて問うと、


「お前が穢れすぎだ」


苦笑いで、返された。


弱々しい力でだけど、莉華にも殴られたし。


「……で、用件は何よ?」


下らない理由だったら、ぶっ飛ばす。


そういう思いが伝わったのか、陽希はとても言いにくそうに。


「……その、な?」


「うん」


「えっと……」


「早く言って」


「言ったら、怒るだろ……」


「意味わかんないんだけど?」


睨みつけると、


「わかったよ!言うよ!!」


陽希は、何故かキレて。


「早く言えよ」


ため息をつくと。


「その……な、」


「ああ」


「母さんが……」


「母さん?」


「おう」


「母さんがどうしたよ」


あの滅茶苦茶な人だ。


また何か、やらかしたか。


「……妊娠した、らしい……」


「…………………………………………は?」


―流石に、言葉が詰まった。


だって……四人目だぞ?いや、数はまだ、常識範囲内だからいい。いやでも、俺ら、成人したんだぞ??


「高齢出産になるけど、本人は産む気満々らしくて……とりあえず、来年、妹が出来るらしい……」


「……性別も分かったわけ?」


「いや、それは親父の勘」


「……………そーかい」


このタイミングで、それかい。


心配になった。―莉華の状態が。


でも、そんな予想を裏切るように、莉華は横で目を輝かせていて。



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