☆君との約束

愛し方




千華を授かったと、母から聞いた時。


僕の横で喜んでくれた君。


あれから、十三年。


何があったと思う?


始まりは、本当に些細なことだったんだ。


妊娠しても、流産する日々。


その度に、莉華は人目につかないところで泣いて、苦しんで、それを僕に言うことも無く。


違うだろう。


その流産は、君のせいじゃないだろう?


たまに見れば、増える包帯。


階段から落ちたり、


毒が盛られていたり、


たまたま持ったものに、凶器が仕込まれていたり。


日に日に増えていく痛みにすら、君は笑顔で耐え続けた。


『陽希!』


『陽向?』


『莉華は!?』


『え……』


『莉華を見なかった!?』


"不思議なくらい”僕らの前から姿を消してしまう君を、毎日、毎日、探し回って。


見つけた時は、いつも、気を失っていた。


何かが君を襲ったのは間違いないのに、


『大丈夫だよ』


―……君はいつも何も言ってくれないから、結局、真実は闇の中に消えてしまって。


そんなことばかり相次ぐから、子供は無事でいられるはずもなくて。


その度に、君は泣き腫らした目で、僕に言ってくるんだ。


『ごめんなさい』って。


それが、辛かった。


『気にしなくていいんだよ』


そういう毎日。


授かる度に、喜んでいる君は既にボロボロだった。


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