太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
「拓海」

「ん?」

「今日、観に行ってやれなくて、ごめんな。お前の、高校生としての初戦だったのに…」

父は、本当に申し訳なさそうに、頭を下げてくる。

「別に、いいよ」

「…うん、ごめんな。拓海、おめでとう。東海大会でも頑張れよ。次は応援行くから」

「ああ、ありがとう」

途切れる。

夜の病院は異様に静かで、気味が悪いくらいだ。

何か話さないと。

ふと、美緒の事を話そうかと思い立った。

「父さん」

躊躇(ためら)う。

どうやって言ったら良いのだろうか。

「俺さ…カノジョ出来たんだ」

父は目を見開いて驚き、すぐに優しく、深い色の目をした。

「そうか。拓海も高校生、なんだもんな」

染み染みと言う。

「でさ、そいつ美緒っていうんだけど、とにかくスゲーんだ」

「?」
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