太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
遊園地へ向かう車の中で、詩織と、息子の涼太は終始落ち着かない様子だった。

助手席では、美緒がそんな2人を見て微笑んでいる。

「おっ、観覧車が見えるぞ!」

「どこ?どこ?」

「ほらほら、あそこ!」

「あ、あったあった!」



夏休みということもあり、アトラクションはとても混んでいた。

2人はまだ小さいので、メリーゴーランドやゴーカートを楽しんだ。



そして今、2人はヒーローショーに夢中になっている。

それを、美緒と後ろから眺めていた。

「楽しんでるみたいだ。良かった」

「そうだね」

「改めて、これからも宜しくお願いします」

かしこまって言うと、彼女は笑った。

「こちらこそ」



その時、ドオーンという音とともに、大きな歓声が上がった。

ヒーローが悪者を倒したようだ。

「ママ、パパ!勝ったよ!」

詩織と涼太が駆けてくる。

「おお、そうか。良かったなぁ」

すると、午後4時を告げる時報が鳴った。

「そろそろ帰ろっか」

はしゃいで疲れた様子の2人に、美緒が言う。

「うん」


俺、涼太、詩織、美緒の順で手を繋いで、出口へ向かう。

「今日の夕飯何にする?」

「カレーがいい!」

「いや、僕はハンバーグがいい!」

「2人共、食いしん坊だなぁ」



入道雲が浮かぶ空に、4人の笑い声が響いた。
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