矢沢神奈の恋愛事情
いつものランチタイム。弁当を持って
教室から出ると廊下の脇に寄りかかって
神奈を待っていた遊がいた。
「なにしてんの?」
「なあ、気持ち悪いって本心じゃないよな?ドッチボールで勝つために言ったんだよな?」
「え?本心だけど?」
遊の頭上に雷が堕ちるのが見えた。
「そ、そんな子になったのはやっぱり周りに男がいるからなのか?」
「いや、全く関係ないよね。あんたとあたしの問題だよね?」
「くそ、共学なんか進学しやがって…」
「いや、人の話聞けよ」
「お兄ちゃんの事好きって言うまで口聞きませんからね!!」
「は?」
びゅーーんと廊下を走り去っていく遊に
呆れながら「廊下走るなよ…」と呟く。