2番目に君を、愛してる。

夜道を彷徨う。
強い風に背中を押されるがままになる。

雨はそれほど強くないが、突風により髪が乱れる。傘はさせないと予想してフードつきコートを着てきて正解だった。


雲に覆われ月は見えない。


いたる所ででガタガタと物音がする。



空き缶が転がる音や放置された自転車が転倒する音に混ざり、犬の吠える音がした。


飼い犬であれば温かい家に避難しているはずだ、野良犬だろう。


しかし一度吠えたきり犬は静かになり、耳を澄ましても鳴き声は聞こえなかった。


「そう遠くなかったよね」

怪我でもしていたらどうしようと、細い路地裏に入る。家に連れて行って手当だけでもしてあげたい。

狭い裏道を進んだところで、足を止める。


そこにーー
犬ではなく、人がいた。


< 3 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop