2番目に君を、愛してる。

いつもと同じように美崎さんは車に寄りかかり、タバコをくゆらせていた。
絵になるくらい様になっていて、婦人警官が夢中になる気持ちが分かる。


「おはようございます」

「おはよ」

「今日までありがとうございました」

「あー、いや、こっちの都合で悪いな」

「え?悪いって?」

「ん?明日から張り込みだから、迎えに来れなくなって悪いな」


少し話が違うんですけど。


「私、新藤さんの傷口が塞がったから、もう美崎さんに運転して頂かなくて大丈夫だって、聞いてたんですけど…」

「あーそうなんだ」


曖昧に笑って美崎さんは頭をかいた。


「…新藤さんの怪我、実際はどうなんでしょうか」

気になっていたことを聞いてみる。
ちょうど新藤さんが部屋から出てきたため、この話は終わりかと思いきや美崎さんはタバコを私から遠い方の手に持ち代えて、小声で言った。


「まだ絶対安静だ。君の愛の力があれば、治りは早いかもね」


美崎さんの顔が迫り、耳に吐息が触れた。


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