お見合いから始まる恋→結婚
お母さんは自分のスマホを掲げた。

ラインの写真には会社で仕事をしているような男の人の姿。

これは白衣姿?

「これじゃあ、当日この人が目の前に立っても分からないかも。」

私は目を細めながら、写真をじっと見る。

横顔のその写真は、隠し撮りのせいかあまり鮮明ではなかった。

「まあ、雰囲気だけ掴めばいいんじゃない?」

なんとまあ、アバウトな。

相手の人も断り切れず、逃げ道を作ったという事かな。

この年齢だもの。

必ず行かないといけない状況だったら、かえって気後れしてしまうかも。

こういう提案に何となく気持ちは軽かった。

頑なに否定しなくてもいいような。

変な余裕を感じながら、私は笑ってしまった。

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