お見合いから始まる恋→結婚
尚登さんの挨拶にテンションの上がったお母さんは私を一瞬睨みつけた。

「うまくいっているんなら、ちゃんとそう言いなさいよ。」

それは尚登さんにも聞こえていたようだ。

「いいえ、お母さまのおかげです。」

にこにこと穏やかに微笑む尚登さんにお母さんもちょっと心を動かされたようだ。

お父さんとお母さんの前に私達も並んで座る。

確かに付き合っている男性を紹介するのは初めてではない。

それは尚登さんが推測した通り。

だから両親には今度こそは本当に結婚すると“私”が決めた相手を連れてくるように言われていたのだ。

そういういわゆる根回しが尚登さんに対して出来ていない。

私は凄く焦っていた。

ハラハラした気持ちのまま、隣の尚登さんを伺う。

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