お見合いから始まる恋→結婚
「何度か来てここで所蔵している事だけは確認したのですが、お借りするのは初めてです。」

「分かりました。ではこの書類に記入をお願いできますか?貴重な書籍なので簡単な手続きを取らせていただきます。」

原佳人(よしと)…、○○大学の准教授さんなんだ…。

「あっ。」

私はその名を見て、もう一度その人に視線を送った。

「弟の尚登がお世話になっています。」

その笑顔はやっぱり尚登さんに似ている。

「はっ、初めまして。」

尚登さんより少し貫録の有る少々白髪が目立つその姿。

「私自身は前からこの図書館に何度か足を運ばせてもらっていたのでびっくりしました。あなたが平川さんだったんですね。」

何だか楽しそうな表情のお兄さんは私の顔をまじまじと見る。

ちっ、近い。

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