お見合いから始まる恋→結婚
尚登は少し不思議そうな表情をしたが、何かを思ったのか私に言った。

「陶子にはそう見えたんだ。実は…、凄く緊張していた。何を話したらいいんだろうって、頭の中で何かがグルグル回っていた。」

そうなんだ…。じゃあ…今も?

「こんな顔をしているけど、凄く緊張しているよ。陶子にも分かる?」

尚登はそういう人なんだ。

何となく改めて尚登という人を思い返す。

表情には出にくい人…、内に秘めてしまう人なんだな。

そんな風に改めて感じていると、襖がノックされた。

「お待たせ。」

お兄さんの声がした。

どうもお兄さんは一人ではないようだ。

お兄さんの後ろに人影、どうも女性のようだ。

当たり前のように二人そろって入ってくる。

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