イジワル御曹司様に今宵も愛でられています
ある日、母とたくさんのスナップ写真を見ながら、ふと不思議に思ったのだ。
『ねえお母さん、この黒い服を着た人は誰?』
『その人はね、ママの結婚式のお世話をしてくた人よ。ママが結婚式でやりたいって思ったこと全部、その人が叶えてくれたの』
『えっ、全部!?』
『そう、ウエディングドレスもたくさんのごちそうも素敵な音楽も綺麗なお花も、パパのお洋服だってそう。その人が全部用意するの手伝ってくれたのよ』
『素敵!! 結月、花嫁さんのお世話をする人になりたい。そしたら毎日綺麗な花嫁さん見られるよね?』
生前の母との懐かしい会話がよみがえる。
幼かったあの頃の想いは変わることなく私の中にあって、その夢を叶えるため私はずっと努力してきたんだ。
「……結月、遠回りさせてごめんな」
「智明さん?」
いつの間にか車は私のマンションの前に停まっていた。ハザードをつけ、智明さんがためらいがちに私の方を向く。