※「触るな」って言ってるのに、彼には伝わらないようです。

「離してってば。本気で。私明日も仕事なの。」


「うん。」


「離して。」


「うん。」


「…離せ。」


「うん。」


…………っほんっとうにこいつ!!!!!
一体なんなのよ!!
性欲は満たしたでしょーよ!!
まだ私に用があるわけ?!
女みたいにアフターケアでもしろっていうの?!



「なぁ…。」

後ろからそんな声が聞こえてとうとう振り返った。
ベットに座ったまま私の腕を掴むヤツのウェーブがかかった茶髪の後頭部が目に入る。


「っ!」


不意に私を上目遣いで見上げ、そのくっきり二重の犬のような瞳が私の瞳をとらえた。
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