独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

「いい男だよ。詩織、いいなぁ~」
「お前が言うと、何か違う意味に聞こえる」

 晴樹が冷ややかにツッコんで、直樹が舌を出した。その様子を見て私もつられて笑う。

 ここ最近忙しくて、こんなふうに笑っていなかったな。智也さんと一緒にいてもせわしなく動いてばかりで向き合っていなかった。

 そんな私のこと支えてくれていた智也さん。今まで知らなかったとはいえ、ずっと私のことを想って優しく包み込んでくれていたなんて……。

 智也さん以上の人なんてこの世に存在しない。それなのに離婚しませんか? なんて、酷いことを言ってしまった。

 ちゃんと話し合いたい。
 そして私の気持ちを伝えたい。隠さず全部話そう――。


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