独占欲強めな社長と政略結婚したら、トキメキ多めで困ってます

 そしてベッドサイドにあるテーブルにはアロマキャンドルとピンクのガーベラが飾ってあった。

 しかもその花瓶はジャムの空瓶のようで、さりげなくオシャレ。私にはこんなセンスはないな、と感心しながら、その可愛らしい花に触れる。

 みずみずしい花びらを感じて、まだ飾られて間もないということが伺えた。

 それから寝室の奥には彼の部屋に続く扉がある。あの先はどうなっているか気になる。
 しかしここから先はプライベートな空間なので立ち入らないようにしようと思う。

 現在時刻は夕方の五時。

 今日も何かご飯を作っておかなければ。昨日作った食事に対して「美味しい」と言って、一切文句を言わず完食してくれた。

 私の作るものなんて大したものじゃないし、本当に美味しいと思ってくれているのか分からない。

 これからどれくらいの頻度で食事を共にするか分からないけれど、ちゃんと手料理を準備しておかなければ。
 何時に帰ってくるか分からないので、帰ってきたらすぐに食べることのできる煮物にしておくことにした。

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