朱莉さんの不可解な一週間
――泣くな。泣くな。


泣いたら今よりももっと惨めになる。


そう分かってるから込み上げてくる涙を呑み込んで、早く駅前から立ち去ろうと足を速めたその時。


「待って下さい、吉岡さん! 僕の話を聞いて下さい!」

周りを全く気にしない大人げのない大きな声と、それと同時に腕を掴まれ。


「何よ!? まだ何か――」

勢いよく振り返ったあたしは。


「――え? 何で泣いてんの?」

そこにいる先生の姿に怒りも涙も何もかもを忘れてポカンとした。
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