朱莉さんの不可解な一週間
テーブルの中央に置かれた小さなキャンドルは、さながら停電みたいで落ち着かないし、用もないのに近くに立ってるギャルソンがウザい。


わざわざ予約してたらしい窓際の席に案内されて5分。


メニューを開くあたしの足は、貧乏ゆすり中。


だけど向かい側に座ってる瀬能先生は、いつもと変わらず落ち着いた感じでメニューを見てる。


チラリと背後に目を向けると、ギャルソン。


一瞬目が合ってこっちに来そうになったそのギャルソンから、あたしは慌てて目を逸らして開いてたメニューを閉じた。


「ね、ねえ、先生」

小声でも聞こえるように前のめりになってそう囁くあたしに、先生はメニューを下げて「はい?」と同じように少し前のめりになる。
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