目覚めたら、社長と結婚してました
ところが近藤さんに話を振られ、彼女が返してきたものは意外な内容だった。
『いいと思いますよ。どんなきっかけで結婚したとしても、それから恋をして相手のことを好きになればいいんですから』
夢見がちすぎて、呆れるのを通り越して心配になってくる。結婚なんてそんないいものでもないだろ。本当に能天気なのにもほどがある。
俺は気づいていなかった。彼女がどんな思いで質問してきたのか。念押しするように『適当に結婚できるのか』と聞いてきた理由を。
現実を見ていないとも思えた彼女の結婚に対する考えは、全部自分に言い聞かせていたものだった。
能天気なんてとんでもない。彼女はとっくに覚悟を決めていた。
俺は唇をかんで増幅するイライラを抑えようと躍起になる。
言えばいいだろ。軽くでも、一言でも。自分はこんなに大変な状況なんだって。つらいんだって。嫌だって口にしてみればいい。弱音のひとつくらい吐いてみせろよ。
ただし、これは全部想像で彼女の想いも本音も知らない。俺はどうしたいんだ?
『でも柚花ちゃんは隣にいるのがお前じゃなくても、きっとそれなりに明るく楽しく過ごせるんだろうな』
冗談じゃない。同じ笑って楽しそうにするなら、俺の隣にいればいい。彼女の望むものをなんだって与えてやる。だから誰にも渡したりはしない。
自分の気持ちを自覚して、奪うように彼女と結婚した。それが彼女にとっていいことだったのか、悪いことだったのかまでを確認することもなく。
『いいと思いますよ。どんなきっかけで結婚したとしても、それから恋をして相手のことを好きになればいいんですから』
夢見がちすぎて、呆れるのを通り越して心配になってくる。結婚なんてそんないいものでもないだろ。本当に能天気なのにもほどがある。
俺は気づいていなかった。彼女がどんな思いで質問してきたのか。念押しするように『適当に結婚できるのか』と聞いてきた理由を。
現実を見ていないとも思えた彼女の結婚に対する考えは、全部自分に言い聞かせていたものだった。
能天気なんてとんでもない。彼女はとっくに覚悟を決めていた。
俺は唇をかんで増幅するイライラを抑えようと躍起になる。
言えばいいだろ。軽くでも、一言でも。自分はこんなに大変な状況なんだって。つらいんだって。嫌だって口にしてみればいい。弱音のひとつくらい吐いてみせろよ。
ただし、これは全部想像で彼女の想いも本音も知らない。俺はどうしたいんだ?
『でも柚花ちゃんは隣にいるのがお前じゃなくても、きっとそれなりに明るく楽しく過ごせるんだろうな』
冗談じゃない。同じ笑って楽しそうにするなら、俺の隣にいればいい。彼女の望むものをなんだって与えてやる。だから誰にも渡したりはしない。
自分の気持ちを自覚して、奪うように彼女と結婚した。それが彼女にとっていいことだったのか、悪いことだったのかまでを確認することもなく。