Some Day ~夢に向かって~
だけど、そんなクラスの輪の中に入れたのは、一瞬だった。


体育祭の興奮と連帯が醒めてしまえば、私の周りに集う人は、もういなかった。


まずいことに、その後にやってきたのが、秋の文化祭のクラス実行委員決め。申し訳ないけど、私は、あの文化祭というイベントが全く性に合わない。これまでの2年間も、クラスの中で浮いていることをいいことに、ほとんど無視を決め込んだが、今年はまして受験の年。関わり合うなんて、まっぴらごめんだ。


もっとも、そう思っているのは、決して私だけではないようで、実行委員決めは完全な譲り合い、押し付け合いの様相を呈していたが、そんな中、私は参考書を広げ、我関せずの態度を、露骨に示しておいた。


そして、期末考査を経て、夏休みへ突入。結局、私は高校生活を過ごす中で、友達の作り方、クラスメイトとの接し方を完全に忘れた女の子になってしまったようだ。


何人かいたはずの中学時代の友達とも、とうに縁が切れていた私は、お陰様で家や塾でひたすら勉強に励む、受験生としては模範的、理想的な夏休みを過ごすことが出来た・・・。
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