Some Day ~夢に向かって~
ここは屋上、泣きじゃくる私を由夏が、そっと抱きしめてくれてる。


「ここにいたのか。」


そこに入って来たのは、沖田くんと塚原くん、それに加瀬くんの3人だった。


「すまない、水木さん。君にあんなこと言わせてしまって。」


「本当は俺達が言わなきゃいけなかったんだ、なのに・・・。」


加瀬くんと沖田くんが口々に謝ってくれるけど、私はまだ顔を彼らに向けることが出来ない。


「先輩は?」


「帰った、止めたんだけど・・・。」


代わって聞いてくれた由夏の問いに、辛そうな声で答える沖田くん。


「そう、最低だね。」


呆れたように言う由夏に、沖田くんも返す言葉もない。


「とにかく、悠のことは私に任せて、君たちは戻って作業続けてよ。」


「わかった、頼んだぞ、由夏。」


「うん。」


「行こう。」


それまで黙っていた塚原くんがそう言うと、3人は教室に降りて行った。


「私・・・。」


「えっ?」


「これで完全に先輩に嫌われちゃったね。」


「悠・・・。」


由夏の胸に顔を埋めたまま、私は言った。


「仕方ないよ、悠の気持ちがわからない人なんだから、悠に好きになってもらう資格なんかなかったんだよ。あの人には。」


「・・・。」


先輩に憧れ続けた3年間は何だっただろう。こんなことなら、先輩に近づきたくなんかなかった。


(先輩の・・・バカ!)


私の涙は止まらない。
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