幼馴染みと、恋とか愛とか
その後ろを続く首藤さんも私を振り返り、人の良さそうな笑みを浮かべて見せるけど。


ゾォーとしてくるのは私が彼を怪しんでるからだろうか。
紳士そうに見えて、裏では別の顔を持ってるように思うせい?


(でも、何となくあの人に似てる気がする……)


忘れたくても事ある毎に思い浮かんでくる過去。


あの人はいつも私を外で待ち伏せていた___。


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それはストーカー行為と言えるほどのものではなかった。

その人は私が立ち去っても後を追いかけてくることもなく、いつもヘラヘラと笑って「また明日」と言うだけだったから。



彼は私が勤めてた銀行に毎日通い詰めて来るお客様だった。
現金を引き出したり入金したり、ATMでも出来ることを全て依頼書に書いて窓口に持って来るのが常の人。

窓口で接客業務をする女子行員を近くで見るのが好きらしくて、精神的に何処かおかしいんじゃない?と皆は噂をしてた。


そんな人と会話をしたのは、研修期間が済んで窓口業務に配属された頃だ。
順番が表示されて、その人が私の座る窓口へとやって来た。



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