幼馴染みと、恋とか愛とか
ギャーギャーと騒ぐ私の高音が耳障りなのか、紫苑は低い声で「ボリュームを落とせ」と言ってくる。


「蓮也の進学について、おじさん達は何て言ってるんだよ」


面倒くさそうに上半身を起こした紫苑は、黒いベッドカバーを上半身に巻き付け、膝から下は胡座をかいて、まだ眠たそうに欠伸を噛み締めながら膝の上に右肘を付く。


「父さんも母さんも呑気なの。奨学金申請して通えばいいじゃない?って感じで!」


大学でも同じ方法で奨学金を借りてるのによ!?と私は声の大きさを変えることもなく力説した。


「無利息のだけじゃなくて利息の付く奨学金もあるのに、この上借金増やしてどうするつもりなんだろ!?」


借りたのはいいけれど、専門出て職に就けなかったら誰がそのお金を返して行くのよ!…と大きな声で疑問を並べ立てる。


「ねえ、紫苑!お願いだから蓮也に進学しないで就職しろって言ってくんない!?」


でないと私が困るのよ〜!とベッドの端っこに縋れば、当然ながら「どうして萌音が困るんだ?」と聞き返してくる。


「だって、この間の更新時に再契約は無しだ、と言われて首切られちゃったんだもん!」


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