幼馴染みと、恋とか愛とか
食器を洗い終わって振り向くと、昨日はゴロ寝をしてた場所に紫苑がいなくて、それが何だか寂しくて、キュン…と切なく胸が鳴る。

ハッキリと自分の中で紫苑への思いが固定された今、お互いのことをもっと知り合いたいと感じてるのに__。



「やっぱり幼馴染みとは、恋とか愛とか、難しいのかな」


自分で言ってて悲しく感じる。
それなら最初からキスなんてしない方が良かった。


大きく溜息を吐き出して浴室へ行った。
早目にお湯に浸かろうと思いバスタブにお湯を溜め始めたら、紫苑が来る足音がしてビクッとした。



「萌音」


後ろから声をかけられ振り向く。
若干頬を染めてる紫苑がドアの所にいて、「ちょっと…」と指先を上下させる。


私は首を傾げながらも紫苑が手招く方へ向かった。
寝室の隣にある書斎のドアを開けられ、「入れ」と言うから足を踏み込む。


「俺が一人で勝手に決めてもいけねえだろ」


パソコンのデスクトップを眺めがらマウスを操作する紫苑。
そこには、いろんな教会の案内が映し出されてて、私は驚きで目を見開いた。


「何処がいい?」


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