幼馴染みと、恋とか愛とか
「食ってるよ。それなりに」


「それなりぃー!?」


驚いて素っ頓狂な声を出してしまう。
紫苑はそれに目を細め、煩えな…という感じで頷いた。


「駄目よ紫苑、ちゃんとご飯くらい食べないと!」


このスケジュールのままではいつ倒れてもおかしくない。
紫苑の体力勝負みたいな雰囲気で益々不安が広がっていく。


「だから食ってるって。それなりに」


「カップ麺とかおにぎりとかサンドイッチとかじゃないでしょうね!?」


「煩えな、萌音は嫁かよ」


「嫁ならもっと心配するよ!私は部下として社長のことを気にしてるの!」


オフィスのトップが倒れたら困る。
幾ら精鋭揃いだと言っても、王様がいない城では働きが鈍る。


「言ってみて。何を食べてるのか」


(まさかとは思うけど満腹になるサプリメントじゃないでしょうね)


あれはダイエット食品だよ!?と思いつつ睨んでるせいか、紫苑の視線がスルッと逃げた。

まさかとは思うけど思惑通り!?
そんなもの常用してるとなると問題だが__


「紫苑」


「ああもう、分かった分かった」


< 73 / 221 >

この作品をシェア

pagetop