キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
百鬼夜行の天才博士

バリー博士と百匹のカラス達

「あー・・・私機械なのか」

「気付かなんだ」

「どうりで体が硬い」

人形はポケットの中に入っていた

メモ用紙を見ながら

体の各部位を念入りに動かしました

「あー・・・蒼井、蒼井蒼井」

「どうもこんにちは、私蒼井です」

「はぁ・・・僕はキネウムです」

キネウムは目をぱちぱちと動かしながら

正座したまま蒼井を見上げました

「えーと・・・」

「私はバリー博士を探しています」

「私の燃料はガソリンです」

「私には記憶媒体がありません」

「燃料切れに注意して下さい」

「私はラブドールではありません」

「私に乱暴しないで下さい・・・」

蒼井はメモ用紙をむしゃむしゃと破り

微笑みました

「そんな感じでよろしく、キネウム」
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