キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
「王子様はアリウムだから」

「人間の女の本当の匂いなんて」

「じっくり嗅いだ事ないでしょう?」

「嗅いでいいよ・・・誰にも内緒ね」

ギーゼラに抱きつかれ

鼻先にある首筋からは

ギーゼラの鼓動が伝わってきそうでした

噛み付きたい衝動を必死にこらえ

キネウムはギーゼラの香りを

しゃぶる様に堪能しました

キネウムは

どうなってもいい

どうにかなってしまいたい

という意識にむしばまれ

破裂しそうでした

「はいおしまい・・・ごめんね」

ギーゼラはキネウムの耳を甘噛みすると

ゆっくり蒼井の横に座りなおしました
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