キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
きゃっきゃわいわい騒いでる中

キネウムは思いました

もしや僕も貧弱に数えられているのか?

そんなはずは・・・

こう見えても僕は血気盛んな若者だぞ?

今が一番盛ってる時期だって

大辞典にも載ってたぞ

それに棒術の試験だってトップだった

あれは僕が王子という地位を抜きにして

純粋にやっていたはずだ・・・

そうだよね?父上!と

「あ、あの・・・バリー博士?」

「護衛なら僕がしっかり勤めますよ!」

「蒼井さんと博士を送り届けたら」

「その後ちょっと人探しを手伝って」

「もらおうとは思いますけど」

バリー博士はキネウムの頭を

自慢の肉球でくしゅくしゅしました

「王子よ、君は人間という物の」

「恐ろしさを理解していない」

「巷には変態があふれ返り」

「ただ強いだけではどうにもならん」

「世の中になっているのだ」

「君は数十人の変態達に囲まれてなお」

「このじじいと蒼井と自分を」

「守り貫く自信があるのか?」
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