キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
白蛙はなんだか眠くなってきました

ふわふわとした時間の中

どんどんどんどん

ドングリが体の中に入っていく感覚に

これではだめだと思い必死に言いました

「姫様・・・私は・・・もうだめです」

「蛙は・・・寒いとだめなのです・・・」

「おい!寝るな!寝たら死ぬぞー!」

動かなくなった白蛙にイーディスは

落ち葉を沢山かけてやりました

がさがさという落ち葉の擦れる音にまぎれ

何やら飛び跳ねる音が聞こえてきます

「やばい!奴らが・・・きやがったぜ!」

音のする方を振り返ったイーディスは

自分の思い描いていた絵空事と

あまりにも同じだったので

少しびっくりして持っていたドングリを

落としてしまいました
< 31 / 255 >

この作品をシェア

pagetop