キネウム王子とイーディス姫の溢れ出るパトス
イーディスは心の中で

いつも食べてる牛さんだって豚さんだって

殺されて捌かれて包装されて

ショップに陳列されているの

何も不思議な事じゃないわ

これが現実なの、宇宙の真理なの

と自分に言い聞かせましたが

目の前に横たわる大熊を見ていると

なんだか涙が出てきました

だってさっきまで自分に

逃げろ、危ないと優しく忠告・・・

イーディスはびくっと空を見ました

朝の木漏れ日がそれを一段と輝かせ

イーディスの心臓目掛け

加速度的に迫ってきます

「銀の矢が・・・マリちゃん、あれ!」

「姫様!私達も狙われているようです!」

「早くここから逃げましょう!!」
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