溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「ほら、私ももう五十過ぎたからねえ。健康に気を使っているのよ」

ガハハッと珠子さんが豪快に笑う。

「普段の間食を止めればいいのでは?」

珠子の身体にチラリと目を向け、ボソッと毒を吐く翔太君。

「ん?翔太君なんか言った?」

多分聞こえていたとは思うのだけど、彼女はにこやかな顔で首を傾げた。

「いいえ。何も」

翔太君は柔らかな笑みを浮かべ惚ける。

このふたりのやり取りはなかなか面白い。

どちらも強者ですね。

「楓ちゃんのは美味しそうな匂いがするわね。それなんだっけ?」

珠子さんが鼻をクンクンさせ、私のカレーを見る。

「私が頼んだのはエビバターカレーです。しかも甘口」

にっこりしながら答えると、翔太君に突っ込まれた。
「楓さんって味覚もお子様なんですね」

「『味覚も』って……他にお子様なとこあった?」
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