溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
もう逃げ場なんてない。

兄が一緒じゃないということは、ふたりで話をしろということなのだろう。

遥から視線を逸らし、心を落ち着かせる。

しっかりと彼を見て話をするんだ。

もう逃げちゃダメ。

私だけの問題じゃない。

自分に言い聞かせると、遥と向き合った。

「遥……あのね。私……実は……⁉︎」

妊娠のことを打ち明けようとしたら、彼が私の元にやってきて身を屈め、私の唇に指を当てる。

「まずは俺の話を聞いて欲しい」

黙ってコクンと頷くと、彼は私の前に跪き、スーツのジャケットの内ポケットから、小さな箱を出した。

それは深緑の宝石箱。

遥はその箱を開けて中に入っていた指輪を取り出す。

「俺と結婚してくれないか?」

自分の身に起こっていることが信じられなかった。

私……遥にプロポーズされてる?

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