もう一度、愛してくれないか

「あたし、寝るって言ったでしょっ。ついてこないでっ!」

寝室に入った妻を、おれは抱き寄せた。

「や…やだっ……放してっ。触らないでっ!」

彼女はおれの腕の中でもがいた。

「……おまえはもう、おれに触られるのもイヤなのか?」

そして、おれはとうとう、その言葉を口にした。

「紗香……おまえ……そんなにあの男が好きなのか?」

彼女は顔を上げて、おれに鋭い視線を向けた。

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