もう一度、愛してくれないか

しっかりと潤った紗香のなかに、ぐーっと身を沈める。

かなり、ひさしぶりのナマの感触だ。

二人目を諦めた頃……息子が高校生になるくらいからまた着け始めたので、それ以来だった。

最近のものは超薄とか極薄とか(うた)っているが、やはり隔てがあるのとないのとでは、大違いだな。

彼女の方もそうみたいで、いつもより感じてるらしく、おれのモノをきゅうぅっとホールドしている。早く動かすと、お互いすぐにイッてしまいそうだ。


思いっきりセックスできるようになったというのに、今度は勃たなくなるかも、なんて悩みが来るとはな。ある意味、神様は公正公平だ。

若いときなら、もう一回、さらに一回、と一晩中でも「元気」でいられたのに。

だからこそ、今は最初の一回に(それきりになっても悔いが残らないように)「全力投球」することが大事になってくる。

「心の込め方」が若いヤツらとは違うんだ。
別に歳を喰ったからって、テクニックが向上するっていうわけじゃないんだ。


今日は酒も呑んだし、一回しかできないだろう。
この歳になると、呑んだら覿面(てきめん)に下半身が弱くなる。

せめて、紗香が特に悦ぶやり方で、徹底的に攻めてやろう。

……ほら、もう、紗香の全身が小刻みに震えている。

半開きのくちびるからは、あられもない嬌声が漏れ出ている。

腰の動きを速めて……そろそろイカせて……
……楽にさせてやろうか?


いや……まだだ。

まだもう少し、このかわいい喘ぎ声を聞いていたい。

この、熱いうねりをもっと(じか)に感じていたい。

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