向日葵

心の比重

結局、翌朝までクロとホテルで過ごし、そして本当に仕事を休んでしまった彼と共に、のん気にショッピングをしていたわけだけど。


本当にそれで良いのかと問えば、“全然余裕”と、わけのわからない返答をされてしまう始末。


だけども昨晩通り過ぎたらしい雨露が陽の光を浴び、キラキラと輝く様に少しの感動を覚え、すぐにそんなことも忘れてしまったのだが。



「何で病み上がりのあたしが、アンタの車洗う手伝いしなきゃいけないのよ。」


「誰を海まで迎えに行ったから、こんなに汚れたんだっけ?」


「…なっ…」


「おまけに俺、お前の風邪が移ったっぽいんですけど。」


そんな言葉に何も言えなくなってしまい、頬を膨らませることしか出来なくなったのだが。


散々買い物をして、次はどこなのかと思えば、だだっ広いガソリンスタンドに連れて来られ、“手伝え”と、今しがたそう言われたばかり。


あたし的には、あんなの全然汚れてるうちに入らないのになと、そんなことを思ってしまうのだが。



「そんなに車が大事?」


「お前よりは大事じゃない、とか言って欲しい?」


「…言えって言ったら言うの?」


「いや、無理。」


「あっそ。」


「怒った?」


「怒ってません。」


だけども大事な大事な車に向かい、タオルを投げつけてやれば、“やっぱり怒ってんじゃん”と、そんな台詞。


口を尖らせば、彼はそんなあたしを見てケラケラと笑うのだから、嫌になる。


あれから一晩経ったけど、はっきり言ってあたし達の関係がどうなったのかは、今もわからないまま。


ついでに言えば、それを聞き出すほどの勇気もないのだけれど。


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