【完】名のないレター
第3節



「那月、どうしたんだろう」

 私は那月のことが心配になった。
いつもの那月は優しくて、私の事を一番に気にかけてくれる。

 いや、さっきだってそうだ。でも、なにかおかしかった。

 那月、どうしたのかな。何年も一緒にいるのに何考えてるのか分からない。

「那月……」

 私は那月のことどのくらい分かっているのだろうか。

 知らないことが多いのかもしれない。

 何年も一緒にいるのに。
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