【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
12月、クリスマスカラー一色で賑わうこの季節。
最近蘭君とよく道端でバッタリ会う。
前は顔を合わせる度嫌そうな顔をしてた蘭君だけど
今は「おう」とか「よく会うな」とか。
普通に接してくれるから、ほんとそれだけでニヤニヤが止まらない。
そんな嫌でも浮かれてしまうこの季節で。
私はいつも通り、学校の帰り道を鼻歌を歌いながら歩いていたら
ーーーポンポンと後ろから誰かに肩を叩かれて。
蘭君もよく通る道だから、蘭君だと思って笑顔で振り返ると。
「えっ」
蘭君じゃない。
でも
蘭君と同じ種類の人間。
長い金髪に、口にはタバコを咥えている目つきの悪い女の人が
スカートのポケットに手を入れながら立っていた。