【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






いきなり勢いよく胸ぐらを掴まれて
帰る前にせっかく学校のトイレでマフラーをしっかりと巻いたのに、この人のせいで緩まっちゃった。



てか、そんなことより。



こ...怖すぎるよ〜〜〜〜!!



学校の帰り道で見ず知らずの不良に胸ぐらを掴まれるなんて...


私も夜遊びだのなんだのしてるけど...私なんかまだ可愛い方だったのかも...。



自分を不良だと思ってたあの頃が懐かしいというか...考えが若かったのかもしれない。




「あんた、これ以上痛い目にあいたくなかったら百目鬼さんに近づくな」


「らっ...蘭君に...?」


「その"君"呼びもやめろ。
馴れ馴れしいんだよ、あんた」


「そんな事言われても...」


「いいか?百目鬼さんはな、あたしらでもあんまり話しかけちゃいけない、そのくらいすごい人なんだ。
なのにあんたは、その無言の掟を簡単に破って百目鬼さんの周りをうろちょろして...」



「...」


「ほんっっっと、ムカつくんだけど!!!!」



女の人の大量のつけまつ毛が、目が吊り上がると同時に、バサバサとこれでもかっ!ていうくらい上を向く。



あまりの迫力に、口が開かない。



だけど...無言の掟なんて、私には関係ないような気がする。



だってそれって、勝手にこの人達が決めたルールでしょ...?



友達でもなんでもない、初対面の私が
その掟に従う必要...ないと思うんだけどなあ。




...まあこんな怖い人に、口が裂けてもそんなこと言えないけど。






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