雪と断罪とそして、紅
それから数ヶ月が過ぎた頃。
「切碕さん!」
この日、僕は彼女を……朱寧を呼んだ。
制服姿で走ってくる朱寧は何処か嬉しそうだ。
「どうしたの、急に呼び出して……」
「………………」
「黙り?でも、私も貴方と話したかったの。あのね、私──」
「朱寧、さよならだ」
僕はその言葉を告げるために朱寧を呼んだ。
朱寧とは今日でさよならだ。
僕の突然の言葉に朱寧は一瞬動揺していたけど、すぐに小さく笑った。
「うん、そんな気がしてた。……会えたんでしょ、愛する人に」
……聡い子だよ、この子は。
そう、朱寧を呼び出す数日前に僕の姉の息子である少年と愛するアリスちゃんに会った。
再会してしまえば、僕はアリスちゃんしか見れない。
僕の愛する人はアリスちゃんだって再認識した。
頷きもしない僕だったけど、朱寧は何かを感じ取ったのか僕に背を向ける。