雪と断罪とそして、紅


──体に激痛が走った。




体からは血が飛び出して、明晴が私と楊蘭の体の中に手を突っ込んで何かを取り出した。





それは子宮。





切碕が生前に殺した女から必ずと言って良いくらい奪っていたもの。





幼い頃の私は切碕に聞いたことがある。





『切碕は何で子宮?を取るの?』





『それはね、≪作られた≫僕がいたことが無い場所だからどれだけ居心地が良いのか知りたいんだ』





『それで居心地は良かった?』





『いいや、気持ち悪いだけだったよ。外も中も……』




切碕はそう言っていたけど、幼い私には意味が分からなかった。





でも、今なら何となく分かる気がする。





子宮を取り出され、体を裂かれた私の意識は混濁している。





< 49 / 210 >

この作品をシェア

pagetop