Flower love
「まぁ、あの人のことだから死ぬってことはないな」

「うん、それはない。あんな戦闘力、何処で身につけたんだろ」

と、二人でリビングに向かおうとした瞬間レオが急停止した。

あたしはレオの背中に衝突する。

「いったいな、何で止まったのよ」

「下がれ」

レオの声はいつもより低かった。

あたしはリビングの方を覗き込む。

そして、目を見開いた。

「こんばんはー」

ソファで手を振ってる女性――フィルシアだった。

「何でっ!?」

あたしは叫ぶ。

と、フィルシアは立ち上がってレオの方に近づいた。

「リンちゃん、行こう」

「い、行くっ! じゃなくて行きませんっ!!」

口が勝手に動く……。

フィルシアはにっこりと笑い、

「なんだ、少しは行きたいって気持ち、あるんじゃない」

あたしは顔を火照らせ、口を塞ぐ。

レオは呆れたようにあたしを見ていた。

「さ、そこ退いて」

「ロアさんに何したんですか」

レオはフィルシアを睨む。

「何も。ただ眠らせただけ。ちゃんと明日になったら起きるから」

「リンは渡しません」

「リンちゃん、モテるのねぇ……何でラウルなんか選んだのか理解できないわ」

「あなたが帰ってくれるなら、そういうことにしておいていいです」

あたしは口を押さえたまま、目を見開いてレオを見つめた。

ちょっと、そういうことってどういうことですかっ!?

「帰ってください」

「あたしが帰ったら、何されるか分かんないわよリンちゃん」

フィルシアはにっこりと笑ってあたしを見る。

「何もしねぇよっ!」

「……どうだか」

また思ったことが口に出る。

レオはぎろっとあたしを睨んだ。
< 57 / 208 >

この作品をシェア

pagetop