お仕事

シャンプー

状態が悪かったため、ほとんど寝たきり状態であった…

毎日、全身清拭、食事の注入の繰り返し…


看護師間でも、中川さんを怒らせないために必死で必要なことしかできなかった。



ある日、中川さんの髪の毛を見たときに、ふけがちり、油でべたべたになっていた。


何気なく、シャンプーがしたくなった。


私は、髪がベタベタしているのが嫌で風で高熱が出ても髪だけは洗う主義である。




そのため、物凄くシャンプーがしたくなった。



本人に、


『中川さん、相談があるんだけどね。シャンプーしてもいい?』






そう聞くと、本人、付き添っていた妻が共に、何を言っているだという顔をした。


そう考えても、無理はない。

寝たきり同然の人間を、どうシャンプーをするのだろうと、一般の人は考えるだろう。


大きなビニール袋1枚、バスタオル1~2枚、タオル2枚、シャンプー、シャワーボトル5~6本、ドライヤー、ゴミ箱があれば病室で寝たままシャンプーが出来るのだ。

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