「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
「貴女様を助けに来たのです……このままでは、本当に死んでしまわれます……」
「……いいのよ、もう……」
首を横に振る。
「……命なんて、惜しくなんか……」
言う私に、「いけません……」と、サムが涙をこぼす。
「生きて、ください……ジュリア様、先に死ぬのは、年を取った私の方でいいのです。貴女様は生きて、もっとお幸せに……」
泣きながら、言い聞かせるようにも話してくれる。