「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
素直に謝る彼に、苛立ちだけが募る。
「……謝ってほしくて、言ったんじゃないわ…」
「…はい、承知しております…」
返ってくる、抑揚のない彼の答えに、
「……何が、承知よ…」
口にして、
「…何も、わかっていないくせに……」
カップを少し音を立てて戻すと、
もう一度、「……お嬢様、」と、咎め立てられた。
「……うるさいのよ、リュート」
苛立ちを隠せずに言うのに、
彼はもはや何も言わずに、無言でただ頭を下げただけだった……。